1. 宅配ボックスのフルタイムシステム
  2. お知らせ/プレスリリース
2001.06.01

日経ベンチャー 「新成長企業『独走する宅配ロッカーのパイオニア』」

日経ベンチャー2001年6月号の表紙を弊社社長が飾りました。宅配ロッカーのパイオニアとして、業界の常識を超えるビジネスモデルを確立する企業姿勢が詳しく紹介されています。(2001年6月号日経ベンチャー掲載記事抜粋)

<<新成長企業>>

独走する宅配ロッカーのパイオニア
通信機能を生かした独自サービスで利用者の支持を獲得

マンションなどに設置する宅配ロッカーの製造販売でトップを独走する。ロッカーに通信機能を盛り込んで、24時間体制で遠隔監視するシステムを構築。

管理費用を収入の柱とする業界の常識を超えるビジネスモデルを確立した。駅に宅配ロッカーを設置するなど、新しい市場の開拓にも積極的に挑む。

マンションの入口に設置し、宅配便などで届いた荷物を一時的に保管する宅配ロッカー。5年ほど前から、新築の分譲マンションのほとんどに設置されるようになってきた。

宅配業者は、配達先の住人が不在とわかると宅配ロッカーに荷物を預け、配達状を郵便受けに入れておく。帰宅後、配達状を見た住人が、ロッカーを開けて荷物を取り出すという仕組みだ。

この宅配ロッカーの最大手メーカーがフルタイムシステム(東京都千代田区、原幸一郎社長)だ。87年に宅配ロッカー「フルタイムロッカー」を日本で初めて製造したパイオニアである。

これまでに、三井不動産や大京などが展開する高級分譲マンションを中心に5500棟に宅配ロッカーを納入してきた。


至れり尽くせりのサービスが武器

宅配ロッカーには利用者が暗証番号を打ち込んで開閉する単純な機能のものから、コンピューターで利用状況を管理するハイテクタイプまで、様々なグレードがある。

フルタイムロッカーは、さらに通信機能も付加した最上級の製品だ。通信機能は、納入後の宅配ロッカーの管理に活用する。「商品を売ってしまったら、ロッカーの管理やアフターケアは客任せ」という業界の常識を超える商品だ。

宅配ロッカーと専用のコールセンターは、電話を使った双方向通信システムで結ばれている。同社はこの仕組みで特許を取得した。コールセンターのスタッフは、24時間体制で住人の問い合わせに対応し、疑問やトラブルの解消に務める。

例えば、住人がロッカーの鍵の役割を果たすIDカードを紛失した時は、ロッカーに備え付けの電話でコールセンターに連絡すれば、遠隔操作ですぐにロッカーを開けてもらうことができる。

また、荷物が届いているにもかかわらず数日間、取り出すのを忘れている住人に対しては、オペレーターが電話で連絡する。そのため、荷物が長期間ロッカーに放置されたり、物置代わりに使われてしまうといった他社のロッカーを置いているマンションで多発しているトラブルはほとんどない。

原社長がロッカーの管理にこだわるのは「単なる製品としてのロッカーでは、どんなに高機能化してもライバルにすぐ追いつかれる」という危機感があるからだ。

コールセンターの運営など独自のノウハウが必要な通信型ロッカーはフルタイムシステムの独壇場で、96年には、三井不動産、翌年には野村不動産が、全面的に導入を決定。

「24時間監視してトラブルを未然に防ぐ通信システムの威力が導入の決め手になった」と三井不動産の小坂井章男・三井のマンションアフターサービスセンター所長は話す。

大手不動産会社への納入によって、高級ブランドとしての地位を確立。その後、全国各地から注文が舞い込むようになり、売り上げは一気に伸びていった。

宅配便のトラブルがきっかけ

他社の追随を許さないこの通信システムを使った宅配ロッカーの仕組みは、84年に原社長自身が考えついたものだ。当時、マンション管理会社を経営していた原社長が悩んでいたのは、宅配便の一時預かりが急増していることだった。

歳暮や中元の時期になると、管理人室は次々と届く宅配便で足の踏み場もなくなった。預かった荷物を紛失するトラブルも発生して、住人と管理人の間でいざこざまで起きた。

「管理人の負担を減らしつつ、住人の利便性を高める仕組みはないのだろうか」と考えあぐねた末に思いついたのが、管理人の代わりに荷物を預かる宅配ロッカーだった。

原社長はマンション管理事業で稼いだ資金を元手に86年5月にフルタイムシステムを設立する。マンションの一室で宅配ロッカーの開発を始め、一年後、いまの製品の原型となる宅配ロッカーを完成させた。

通信機能を付加するアイデアは、管理会社時代、水漏れなどのクレームに対応するのが遅れて、住人の怒りを買った苦い経験から生まれた。「電話回線を使って、24時間監視できれば、理想的な管理体制が築ける」(原社長)。

原社長の通信機能に対する思い入れは強く、採算を度外視してつくったために、製造原価は予想以上に膨らんだ。そのため販売価格はいまの10倍に当たる1台1000万円になってしまった。

87年から販売を始めたが、「アイデアはおもしろいんだけど高すぎる」と、いくら説明しても顧客の理解は得られなかった。

その後、価格は下げたが、一部の高級マンション用にしか売れず、90年代初頭までの平均販売台数は年間30~50台、売上高も数千万円にとどまった。「散々の結果だった」と原社長は振り返る。

それでも原社長は、通信型ロッカーにこだわり続けた。「ロッカーのようなローテク商品では、もし大手が量産品で対抗してくれば太刀打ちできない。うちはハイグレード商品ひと筋でいく」というのが原社長の基本戦略だった。


メーカーからの脱皮を図る

フルタイムシステムは、双方向通信システムを生かして、マンション住人の利便性を追求した新しいサービスも開発している。その代表例が、衣類のクリーニングを依頼できるサービスだ。

住人は、ロッカーの操作テンキーを使ってクリーニングを依頼し、衣服を宅配ロッカーに入れる。注文を受けたコールセンターは、それぞれの地域で提携しているクリーニング業者に回収を指示する。


クリーニングした衣服は、宅配ロッカーに届けられる。

クリーニングのほか、宅配便の発送や写真の現像の依頼も同様の方法で可能だ。代金の支払いには、郵便振り込みか、クレジットカードを使う。

このサービスの利用者の多くは、事前に申し込んでつくるIDカードと一体化したクレジットカードで支払っている。ロッカーの端末にカードを差し込んで、暗証番号を打ち込むだけで支払いは完了する。

さらに、原社長は次の一手として、駅やオフィスなどに宅配ロッカーを設置する新事業に挑んでいる。これまでマンションの住人だけに限られてきた利用者を一気に拡大するのが狙いだ。

その実証試験として、2000年に、京浜急行電鉄、NTTデータなどと共同で品川駅などの構内に宅配ロッカーを設置した。

この駅ロッカーは、昔ながらの郵便の「局留め」や「駅留め」を無人で実現する新しいビジネス。通信販売会社などに、商品の受け渡し場所として利用してもらって、その手数料を得るというのが、原社長が描いているビジネスモデルだ。

今夏には、小田急電鉄新宿駅にさらに改良された宅配ロッカーの設置を検討している。大手OA機器メーカーと提携し、オフィスにも試験的に設置を始めている。

原社長は、「3年以内に、管理費やサービスの利用手数料による収入が、売り上げの6割を占めるようになる」と話す。その安定収入をテコにして、数年以内に株式を公開する考えだ。

「フルタイムシステムは、単なるメーカーではない。サービスを手がける会社なんだ」という経営方針を、社内外にことあるごとにアピールしてきた原社長。

新規事業を成功させ、サービスによる収益をどこまで大きく育て上げることができるか。フルタイムシステムの新しい挑戦は始まったばかりだ。

事業・サービス
実績
CSR/取り組み
採用情報
各種募集事項
お知らせ/プレスリリース
前年度 2001年 来年度
1月 2月 3月 4月
5月 6月 7月 8月
9月 10月 11月 12月