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「管理費」と「修繕積立金」費用の妥当性をチェック

公開日:  最終更新日:2016/09/13

以前、「管理費」と「修繕積立金」に少しだけ触れたので、今回は深く触れてみます。マンション分譲時から設定されているこれら管理費等は、どのようにして算出されたのでしょうか?この金額は、デベロッパーの過去の実績であったり、一般的な予測値に基づき算出していきます。

管理費算出のイメージ…

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※「(年間のマンション管理に要する経費+予備費)÷戸数÷12ヶ月=各戸の管理費」のような式になります。
★経費の中身はこんな感じです

・管理委託費(管理員人件費、清掃費、点検費、植栽管理費、管理事務費等、管理会社に支払う費用)
・共用部分の水道光熱費、管理室の電話代等
・共用部分の損害保険
・共用部分の消耗品(電球、清掃用具等)
・会議費
・警備費→警備会社、エレベータ点検費、機械駐車場点検等→点検会社
・補修費、工事費等
・その他

尚、管理費は各住戸の面積で算出するので、住戸の販売価格と関係ありません。

これらは、マンションが完成する前に、図面や設備を見ながら、デベロッパーや管理会社が協議して算出します。一般的には、大規模マンションの方がスケールメリットがあるので、各戸の費用負担は少なくてすむようです。

但し、管理員さんの勤務時間や清掃の回数等の管理内容によって、違いがあるのは言うまでもありません。事業主によっては、マンションを売れやすくする為、管理費の収支をギリギリで算出するケースもあるようです。

一見、管理費が安くて良さそうですが、管理費不足になると、清掃状況が悪くなったり、点検が出来なくなったり、適切なマンション管理が難しくなり、最終的に居住者に跳ね返ってくる結果となります。

逆に、管理費等が高い場合は、管理内容が過剰だったり、作業費が高いとことは予測されるので、居住者は十分にチェックし、「適正な管理費の見直し」を検討する必要があります。

「適正な管理費の見直し」の進め方

では、「適正な管理費の見直し」は、どのように進めていくのでしょうか…?管理組合も管理会社も新築初年度は手探りでやっていくこともあります。実際、予想より経費が掛かるものがあったり、掛からないものがあったり、業務の過不足もあります。

居住者がマンション生活に慣れ、理事会が機能し始めたところで、管理費等の見直し(値下げも値上げもあります)の必要があれば、見直しの議論を進めていくのが妥当だと思います。管理組合の収支については、管理会社は毎月の収支報告を管理組合に提出する義務があります。

これらを確認しながら、各費用の妥当性や、将来に予測されるリスク等を管理会社へ質疑していくことが重要です。また、管理組合の資金の流れも分かるようになります。とにかく、分からないことは、何でも質問しましょう。

ナビ美のマンションはこれらを厳しくチェックし、節約してきたので、その分を修繕積立金に充てることができました。今般、消費増税を受けての管理費の見直しの協議がスタートしたところです。

大規模修繕工事は計画を立てて、早めの資金準備を

また、修繕積立金は、マンションの将来の大規模修繕工事にあてる資金です。ほとんどのマンションでは、管理費と一括して集金される為、その内訳は分かりにくいですが、管理費とは別に積立てしていきます。

ナビ美のマンションは築13年ですから、7年後に大規模修繕工事を実施する計画です。国土交通省いわく、修繕積立金は、新築から5年ごとに見直しすることが望ましいそうです。

ナビ美のマンションは、管理費を節約した効果もあり、築13年目にして初めての「修繕積立金の値上げ」がまとまり、7年後の大規模修繕工事の準備がスタートしました。

修繕積立金が不足すると、やるべき修繕工事が出来ずに、雨漏りやタイルの落下等、重大な事故につながることもあります。「工事費の一時金として500,000円払って下さい!」と言われても、すぐに皆さんが払えるとは思えません。大規模修繕工事は、マンションにとっては、一大イベントです。計画をしっかり立てて、早めの資金準備をお奨めします。

まとめ

★管理費や修繕積立金については…
① 管理内容やその費用の妥当性を常にチェックすること。
② 安かろう悪かろうの管理では、資産価値も下がってしまうこと。
③ 修繕積立金は修繕計画や資金計画をしっかり立てて、早めに準備を進めること。

では、皆さんもご自分のマンションの管理費や修繕積立金について、改めてチェックして下さい!まだ、理事会等で協議されていないのであれば、早めに計画を立て、議論を進めていくことをお奨めします。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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