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コレってプライバシー侵害?ゴミ袋の中を開けられました。

公開日:  最終更新日:2014/11/28

ゴミ袋の中

複数の方が共同で生活するマンションでは、プライバシーに関わるトラブルも少なからず発生するようです。マンションで発生するプライバシー侵害とはどのようなものか?実例を挙げてご紹介してまいりましょう。

ゴミのプライバシー侵害

最近はどこの自治体でもゴミ捨て分別ルールが厳しくなってきております。民間のゴミ収集業者によっては、一切の分別なしでゴミを収集する場合もあるようで、そのような場所からお引越しされた方の中には分別ルールをご存じなくトラブルに発展する場合もあるようです。

分別ゴミは基本的に中が透けて見える程度のゴミ袋を使用することが多く、ゴミ袋ごしに分別されていないゴミが見えた場合は、回収してくれない事もあるそうです。

結果、ゴミを開いて持ち主が特定できないか?中を見られるマンションもあるそうです。中を見てゴミを届け返された方の中には「プライバシーの侵害」と怒られる方もいらっしゃいますが、ゴミは所有権を放棄したものですので、プライバシーの侵害には当たりません。

しかし、中には破り捨てた請求書などを貼り合わせるほどの執念を持つ方もいらっしゃるそうで、このような方の場合は「行き過ぎた行為」となりますので、管理会社や管理組合などに相談して注意をして頂きましょう。

ベランダを覗く、覗かれる

マンション1階に居住される方の場合は、特に多いようです。夜間は室内の明かりでライトアップされている状態ですので、カーテンなどの目隠しがない状態では外から室内の様子が見えてしまう事があります。

以前、ペットトラブルで相談にこられた方の中には専用庭を通り抜ける野良猫に時々ですが餌を与えていたら、管理会社から「野良猫に餌をやらないように」と注意されたそうです。

野良猫に餌を与える行為は、周囲の方に糞尿などの迷惑に繋がる恐れがあるので自制するように言われたのは納得していますが、自分しか使用できない専用庭で起こした行為を誰かが見ていたという事はプライバシーの侵害ではないですか?と、仰られていました。

ナビ美は、専用庭といっても、実際は共用部分の一つとしてとらえられていますので、室内のような専有部分とは捉え方が人それぞれ違ってくると思います。

上階のバルコニーからでしたら覗くつもりはなくても下を見れば、目に入る事柄もあるでしょうし、隣や上下階でも何かの瞬間に他人の行動が目に入る事もあるでしょう。それを一つ一つ「プライバシーの侵害」といってしまうと、日常生活が成り立たなくなります。

今回は、「野良猫への餌やり」という行為を目にされたどなたかが、トラブルが大きくなる前に相談された事と思いますので、ご本人様を含めた組合員の利益を守る為にされた行為として注意する事は出来にくいと思います。とお答えさせて頂きました。

しぶしぶ、納得されていらっしゃいましたが、日常的に監視されているというご不安があるようでしたら、改めてご相談くださいとお声掛けをさせて頂く事で、このケースは収める事ができました。

個人情報の管理

小規模~中規模程度のマンションでは、防災用の名簿などの作成・管理もある程度は出来るかと思いますが、中規模以上の大人数となってくると、プライバシーに関わる問題提起をされ、防災対策も進まない場合があるそうです。

「マンション」では共同の利益の為に、個人住宅に住んでいながら管理組合活動を通じてコミュニティーの維持をしていくことがとても重要です。

しかしながら、「共同」「コミュニティ」の部分は出来る限り最小限として、個人のプライバシーを最優先したいという方が増えております。また、「いざという時の為に」という必要性が曖昧な防災について、協力したくないという方が実際に存在するそうです。

近年の大震災や立て続けに発生した土砂災害などで「天災の恐怖」は感じておられるようですが、「自分は大丈夫」という意識や「他人と関わるのが面倒」という目先の小さいな困難が見えない恐怖に打ち勝っているようです。

「強制です」といってしまえば簡単ですが、根本的な問題の解決には至りませんので、時間はかかりますが防災訓練やその他の組合員参加のコミュニティの機会や時間を多くつくったり、情報を発信していく事で「少しくらい関わってもいいかな」という意識を持って頂く事が大切です。

プライバシー問題は向こう三軒両隣が気軽に話し合えるような環境の場合、深刻なトラブルには発生しません。しかしながら、「少数意見を聞かない」などは基本的な人権問題にも発展する可能性もありますので、小さな意見も聞き逃さず真摯に対応していく事がプライバシー侵害でトラブルにならないヒントとなるでしょう。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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