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自主管理を薦めるマンション管理士には絶対頼んではいけない

公開日:  最終更新日:2014/11/28

自主管理を薦めるマンション管理士には絶対頼んではいけない

前回、マンション管理士による管理費が安くなりますよという言葉は要注意というエントリーを書きました。ちょっと成功報酬システムについて解説しておきます。

マンション管理士は、カウンセリングやコンサル業務によりマンション管理費の削減に成功した場合、その削減できた予算の半分程度を成功報酬として受け取られます。例えば年間100万円の管理費削減に成功した場合、50万がマンション管理士の報酬となります。

管理組合としては、成功報酬を払っても50万の削減に成功した事になりますので、メリットはあるのかもしれません。しかし、このシステムには危険な問題をはらんでおります。「何かを削減する=何らかのサービスがなくなる」訳です。

不要なサービスなら問題はありませんが、削れば削るほど管理費は安くなり、マンション管理士も成功報酬が多くもらえる為、過剰な提案をしてくるケースも出てくるのです。

安かろう、悪かろうのケース

マンションは、そこに住まわれる方の生活を反映して成長して参りますので、「同じマンション」はひとつもありません。そのマンションに応じたサービスや住民の希望を取り入れたりしながら、オリジナリティ溢れる個々の管理業務が必要となって参ります。

サービスを受け持つ業者の質やサービス内容により価格の設定がされておりますので、見積書に記載された業務内容と金額だけでは計り知れない人的サービスが係わっており、こういった情報に詳しい管理会社フロントや良質なマンション管理士の場合は、「安いには安いなりの理由がある」のを知っておられます。

「とにかく管理費を削減したい」という管理組合の言葉だけで、単純に管理費削減目的の為だけにサービスを削り落とし高額な成功報酬を受け取るマンション管理士というのも存在しますので、気をつけていただきたいと思います。

ひどいケースになると「管理会社契約を解除し、管理組合で自主管理をなさいませんか?」と薦めるマンション管理士も存在します。

自主管理を薦めるマンション管理士の思惑

マンション管理士が活躍する場として一般的に50戸以下の小規模マンションが多いようです。理由については次回、「小規模マンションが抱える問題」でご説明させて頂きます。

小規模である事から住民間のコミュニティーも発達しており、管理組合によっては「人任せにせず自分達でマンションを管理をしよう!」という強い意志の元、自主管理をされている管理組合もあるようです。

金銭的には管理会社との契約を解除する事により、管理会社に支払われておりました事務管理費や基幹業務費といった経費がなくなりますので、大幅な管理費削減に成功します。(マンション管理士の報酬も格段にUPいたします)

しかし、管理会社が行っていた管理費や修繕積立金の集金及び管理、共用部の維持メンテに伴う様々な業務連絡などなど、マンション管理には様々な仕事が発生します。

その全ての業務をマンション住民で手分けして行うことは非常に骨の折れる作業となります。また、売却などで区分所有者が変更される場合、各種トラブルへの対応、大規模修繕を含む各種修繕業務など長期的に管理組合で運営できるのか疑問が残るところです。

どれほど管理組合に自主管理をする意気込みがあっても、安易に自主管理を薦めるマンション管理士には注意をする必要があります。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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