再配達率
再配達率とは
再配達率とは、宅配便の配達総数に対して、再配達となった個数が占める割合を示す指標です。
宅配便を届けようとした際、受取人が不在だった場合などには、一度の訪問で配達が完了せず、改めて配達することがあります。このような再配達が、配送業務の中でどの程度発生しているかを把握するために使われます。
再配達率は、宅配便の受取状況や配送業務の効率を考えるうえで重要な指標です。
国土交通省では、大手宅配事業者を対象としたサンプル調査を実施し、再配達率を定期的に公表しています。
再配達が多くなると、配送員の再訪問が必要になり、配送業務の負担が増えることがあります。そのため、宅配ボックスや置き配など、多様な受取方法を利用しやすい環境づくりが進められています。
再配達率の計算方法
再配達率は、基本的に次の計算式で求められます。
再配達率(%)=再配達個数 ÷ 配達総数 × 100
例えば、配達総数が1,000個で、そのうち80個が再配達となった場合、再配達率は8%です。
計算例:80個 ÷ 1,000個 × 100 = 8%
ただし、実際の統計では、どの荷物を調査対象とするか、再配達をどのように集計するかなど、調査ごとの条件を確認する必要があります。
国土交通省の調査では、対象となる宅配事業者から報告された配達総数と再配達個数を集計しています。
再配達率は、受取人が不在だった割合を示す「不在率」と同じではありません。
日本の宅配便の再配達率はどのくらい?
国土交通省が2026年7月10日に公表した調査によると、2026年4月の宅配便再配達率は約7.6%でした。
2025年10月の約8.3%と比較すると、0.7ポイント低下しています。
近年の再配達率の推移
| 調査時期 | 再配達率 | 調査対象 |
|---|---|---|
| 2024年4月 | 10.4% | 大手3社 |
| 2025年4月 | 8.4% | 大手6社 |
| 2025年10月 | 8.3% | 大手6社 |
| 2026年4月 | 7.6% | 大手6社 |
出典:国土交通省「宅配便の再配達率サンプル調査」および各調査時期の報道発表資料
2024年4月の10.4%は大手3社ベースの数値であり、2025年以降の大手6社ベースの数値とは調査対象が異なります。
そのため、2024年4月の10.4%と2026年4月の7.6%の差を、同じ条件で2.8ポイント改善した結果として扱うことは適切ではありません。
一方、大手6社ベースの2025年4月8.4%、2025年10月8.3%、2026年4月7.6%を比較すると、直近の再配達率は低下しています。
再配達率の推移を評価する際は、数値だけでなく、調査対象の違いも確認することが重要です。
国土交通省の再配達率調査とは
国土交通省では、宅配便の再配達率を把握するため、年2回、4月と10月にサンプル調査を実施しています。
この調査は、再配達削減に向けた取り組みの進捗を把握するために行われています。
全国すべての宅配便を調べているわけではない
国土交通省が公表する再配達率は、対象となる大手宅配事業者と、その調査対象営業所などから得られたデータに基づいています。
国内すべての配送会社、すべての営業所、すべての荷物を網羅した全数調査ではありません。
国土交通省の再配達率は、一定の調査条件に基づいて算出されたサンプル調査の結果です。
2026年4月の調査結果
2026年4月の大手6社ベースの調査では、配達総数は3,322,699個、再配達個数は253,128個でした。
この数値から計算した再配達率は約7.6%となり、国土交通省の公表値と一致します。
ただし、これは調査対象となった配達個数についての数値であり、日本国内で取り扱われたすべての宅配便の個数ではありません。
地域別の再配達率
国土交通省では、調査対象地域を「都市部」「都市部近郊」「地方」に区分し、それぞれの再配達率を公表しています。
2026年4月の調査結果は、次のとおりです。
| 地域区分 | 再配達率 |
|---|---|
| 都市部 | 8.5% |
| 都市部近郊 | 7.2% |
| 地方 | 6.0% |
| 総計 | 7.6% |
出典:国土交通省、2026年7月10日公表資料(大手宅配事業者6社ベース)
この調査では、都市部の再配達率が最も高い結果となっています。
ただし、ここでいう都市部・都市部近郊・地方は、国土交通省が調査のために設定した地域区分です。全国すべての都市部や地方自治体を網羅した数値ではありません。
また、都市部の再配達率が高い理由を、この数値だけで特定することはできません。
地域別の再配達率は、調査対象地域における発生状況を示すものであり、地域差の原因まで証明するものではありません。
再配達率が高くなる主な要因
再配達が発生する背景には、受取人の生活時間や住宅設備、配送条件など、さまざまな要因があります。
受取人が不在だった
仕事や外出などで配達時に受取人が不在だった場合、荷物を持ち戻ることがあります。
特に対面での受け渡しが必要な荷物では、受取人が対応できなければ配達が完了しない場合があります。
配達予定を把握できていなかった
荷物が届くことを知らなかった場合や、配達予定日時を確認していなかった場合、受取人が不在になることがあります。
贈答品など、受取人自身が注文していない荷物では、配達予定を把握しにくいこともあります。
在宅していても受け取れなかった
在宅中でも、会議や入浴、家事などによってインターホンに対応できないことがあります。
また、インターホンの呼び出しに気付かず、荷物を受け取れない場合もあります。
宅配ボックスが利用できなかった
マンションに宅配ボックスが設置されていても、すべてのボックスが使用中だった場合や、荷物が大きすぎる場合は収納できません。
また、荷物の種類や配送会社の条件によって、宅配ボックスへの配達ができない場合もあります。
オートロックによって建物内に入れなかった
オートロック付きマンションでは、受取人が不在で共用エントランスを解錠できない場合、配送員が住戸前まで入れないことがあります。
そのため、指定された玄関前への置き配ができず、持ち戻りになる場合があります。
ただし、オートロックマンション全体で再配達率が必ず高いと断定できるわけではありません。
再配達率を下げるには、不在対策だけでなく、建物の設備や荷物の受取方法を見直すことも重要です。
再配達率が高いと何が問題になる?
配送員の負担が増える
再配達が発生すると、配送員は同じ届け先を再び訪問する必要があります。
そのため、配送時間や業務量が増える要因となります。
配送業務の効率が低下する
一度の訪問で配達を完了できなければ、追加の配達計画や車両の移動が必要になることがあります。
再配達を減らすことは、限られた人員や車両で配送業務を効率的に行うための取り組みの一つです。
環境負荷の増加につながる可能性がある
再配達のために車両の追加走行が発生すると、燃料や電力の消費が増える可能性があります。
ただし、再配達が発生した荷物について、必ず追加の車両走行が生じるとは限りません。
実際の環境負荷は、配送ルートや車両の種類、配達方法などによって異なります。
再配達率の低下は、配送員の負担軽減や配送業務の効率化、環境負荷の低減につながる可能性があります。
再配達率を下げるための主な方法
再配達率を下げるには、荷物を一度の配達で受け取れる機会を増やすことが重要です。
配達日時を事前に指定する
受取人が在宅できる日時を指定することで、不在による持ち戻りを減らせる場合があります。
配送会社のお届け予定通知などを活用し、予定が変わった場合は早めに日時を変更するとよいでしょう。
宅配ボックスを利用する
宅配ボックスは、配送員が荷物を預け、受取人が後から取り出すための設備です。
不在時でも荷物を預けられる場合があるため、再配達の削減につながることが期待できます。
ただし、満杯やサイズ制限、対象外の荷物などによって利用できない場合があります。
置き配を利用する
置き配は、玄関前や宅配ボックスなど、配送会社が認める指定場所に荷物を届ける方法です。
対面での受け渡しが不要なため、不在による再配達を減らすことにつながります。
ただし、盗難や雨濡れなどのリスク、建物の管理ルールにも注意する必要があります。
営業所や店舗などで受け取る
配送会社が対応している場合は、営業所やコンビニエンスストア、宅配ロッカーなどで荷物を受け取る方法もあります。
自宅での配達時間に合わせることが難しい場合の選択肢になります。
配送通知サービスを活用する
配送会社の公式アプリや会員サービスなどを利用すると、荷物の到着予定を確認しやすくなります。
対応する荷物では、配達日時や受取場所を変更できる場合もあります。
再配達率を下げるためには、配達日時の調整と、宅配ボックス・置き配などの非対面受取を組み合わせることが有効です。
宅配ボックスの設置は再配達率の低下につながる?
宅配ボックスは、不在時でも荷物を受け取れる環境を整えるための設備です。
配送員が荷物をボックスに預けられれば、受取人が不在でも配達を完了できる場合があります。
特に集合住宅では、居住者ごとに在宅時間が異なるため、共用宅配ボックスが受取方法の選択肢となります。
宅配ボックスの設置だけでは十分とは限らない
宅配ボックスが設置されていても、利用できるボックスがなければ荷物を預けられません。
また、荷物の大きさや配送会社の条件などによって、利用できない場合があります。
そのため、再配達の削減を考える際は、次のような点を検討することが重要です。
- 居住戸数に対して適切なボックス数があるか
- 小型・中型・大型の荷物に対応できるサイズ構成か
- 荷物が長期間滞留しないような運用になっているか
- 配送員が利用できる場所に設置されているか
- 故障時やトラブル時の対応体制が整っているか
宅配ボックスの再配達削減効果を高めるには、設置台数だけでなく、サイズ構成や利用状況、管理方法も重要です。
なお、宅配ボックスを導入しただけで、特定の割合だけ再配達率が低下すると断定することはできません。
実際の効果は、建物の規模や居住者の利用状況、配送される荷物の種類などによって異なります。
国土交通省の再配達削減に向けた取り組み
国土交通省では、宅配便の再配達削減を物流政策上の課題の一つとして位置づけています。
2026年3月31日に閣議決定された「総合物流施策大綱」では、宅配ボックスや置き配など、多様な受取方法を消費者が選択しやすい環境の整備を進める方針が示されています。
また、2030年度までに、多様な受取方法の利用率を50%程度にするという数値目標が設定されています。
この目標は、2025年2月の利用率25.6%を基準としたものです。
なお、これは再配達率を50%にするという意味ではありません。
「再配達率」と「多様な受取方法の利用率」は、異なる指標です。
2026年4月の調査では、多様な受取方法の利用率は約31.0%と公表されています。
ただし、この数値は大手宅配事業者3社ベースの集計であり、再配達率7.6%の大手6社ベースの集計とは対象が異なります。
両者の数値を直接足したり、片方の増減からもう一方の変化を計算したりすることはできません。
フルタイムシステムの宅配ボックスと再配達率
株式会社フルタイムシステムでは、集合住宅向けの宅配ボックス「フルタイムロッカー」などを提供しています。
宅配ボックスを利用できる環境を整えることで、受取人が不在の場合でも荷物を預けられる機会が増え、再配達の削減につながることが期待できます。
ネットワーク管理Hシリーズ
ネットワーク管理Hシリーズは、FTSコントロールセンターと接続し、遠隔管理や各種サービスとの連携に対応する宅配ボックスです。
FTSコントロールセンターによる24時間365日体制の遠隔管理に対応しています。
利用できる機能は、製品や導入仕様、契約内容によって異なります。
スタンドアローンKシリーズ
スタンドアローンKシリーズは、FTSカードや非接触キーなどを利用する自主管理タイプです。
ネットワーク管理タイプとは管理方式が異なります。
スタンドアローンMシリーズ
スタンドアローンMシリーズは、管理者と居住者が住戸ごとに設定した暗証番号を利用する自主管理タイプです。
配送員が荷物を預けるたびに任意の暗証番号を設定する方式とは異なります。
対応する認証方法や機能は、製品や導入仕様によって異なります。
着荷通知・保守管理サービス
フルタイムシステムでは、対応する製品向けに着荷通知などのオプションを提供しています。
荷物の到着を居住者に知らせることは、荷物の取り忘れや長期滞留を防ぐための対策の一つです。
また、ネットワーク管理Hシリーズでは、FTSコントロールセンターによる24時間365日体制の遠隔管理などに対応しています。
スタンドアローンK・Mシリーズも、保守契約に応じて電話受付、定期保守点検、障害対応などのサービスを利用できます。
ただし、提供される機能や対応内容は、製品・導入仕様・契約内容によって異なります。
なお、24時間365日の遠隔管理や電話受付は、現地での修理や出動が常に即時実施されることを意味するものではありません。
宅配ボックスを適切に設置・管理することは、不在時の荷物受取を支え、再配達率の低下につながる取り組みの一つです。
再配達率に関するよくある質問
Q. 再配達率とは何ですか?
宅配便の配達総数に対して、再配達となった個数が占める割合を示す指標です。配送業務の効率や荷物の受取状況を考える際に使われます。
Q. 再配達率はどのように計算しますか?
基本的には、再配達個数を配達総数で割り、100を掛けて求めます。ただし、実際の統計では調査対象や集計方法を確認する必要があります。
Q. 日本の再配達率は何%ですか?
国土交通省が2026年7月10日に公表した調査によると、2026年4月の宅配便再配達率は約7.6%です。これは大手宅配事業者6社ベースのサンプル調査による数値です。
Q. 再配達率7.6%は、100個の荷物のうち約8個が不在だったという意味ですか?
必ずしもそうではありません。再配達率は、配達総数に対する再配達個数の割合です。不在以外の理由で再配達となる場合もあるため、不在率と同じ意味ではありません。
Q. 国土交通省の再配達率は、全国すべての宅配便を調べた数値ですか?
いいえ。対象となる宅配事業者と営業所について実施するサンプル調査の結果です。国内すべての配送会社・営業所・荷物を対象とした全数調査ではありません。
Q. 2024年から2026年にかけて、再配達率は2.8ポイント改善したのですか?
2024年4月の10.4%と2026年4月の7.6%の差は2.8ポイントですが、2024年は大手3社、2026年は大手6社を対象としているため、同じ条件での改善幅とはいえません。
Q. 再配達率は毎年調査されていますか?
国土交通省では、毎年4月と10月の年2回、再配達率のサンプル調査を実施しています。
Q. 再配達率が高い地域はどこですか?
2026年4月の国土交通省調査では、都市部8.5%、都市部近郊7.2%、地方6.0%でした。ただし、この数値だけで地域差の原因を特定することはできません。
Q. 再配達率が高いと何が問題になりますか?
配送員の再訪問が必要になるため、業務負担や配送効率に影響することがあります。また、追加の車両走行などが生じる場合は、環境負荷が増える可能性があります。
Q. 宅配ボックスを設置すれば再配達率は下がりますか?
不在時でも荷物を預けられる機会が増えるため、再配達の削減につながることが期待できます。ただし、満杯やサイズ制限などによって利用できない場合があり、効果は建物の条件によって異なります。
Q. 宅配ボックスがあれば再配達はなくなりますか?
いいえ。荷物の種類やサイズ、ボックスの空き状況などによっては、再配達が必要になる場合があります。
Q. 置き配は再配達率の低下に役立ちますか?
配送会社の条件を満たし、指定場所に荷物を届けられれば、不在による再配達の削減につながります。ただし、盗難や雨濡れ、建物の管理ルールなどにも注意が必要です。
Q. オートロックマンションでは再配達率が高くなりますか?
配送員が建物内に入れないことが再配達の原因となる場合があります。ただし、オートロックマンション全体で再配達率が必ず高いと断定することはできません。
Q. 再配達率と不在率は同じですか?
同じではありません。再配達率は配達総数に対する再配達個数の割合です。
一方、不在率は一般に訪問時に受取人が不在だった割合などを指しますが、定義や集計方法は調査によって異なります。
在宅中でもインターホンに対応できない場合や、不在でも宅配ボックスで受け取れる場合があるため、両者は一致しません。
Q. 国は再配達率を何%にすることを目標にしていますか?
2026年3月31日に閣議決定された「総合物流施策大綱」では、2030年度までに多様な受取方法の利用率を50%程度にする目標が示されています。
これは再配達率の目標ではありません。再配達率と多様な受取方法の利用率は、区別して理解する必要があります。
Q. 再配達率は今後も下がるのでしょうか?
宅配ボックスや置き配、配送通知サービスなどの利用が広がれば、再配達の削減につながる可能性があります。
ただし、今後の再配達率が必ず低下するとは限りません。荷物の取扱量や生活様式、配送サービスの利用状況など、さまざまな要因によって変化するためです。
再配達率の低下には多様な受取方法の活用が重要
再配達率とは、宅配便の配達総数に対して、再配達となった個数が占める割合を示す指標です。
国土交通省が2026年7月10日に公表した調査では、2026年4月の再配達率は約7.6%でした。
ただし、この数値は大手宅配事業者6社ベースのサンプル調査によるものであり、国内すべての宅配便を調べた結果ではありません。
再配達率が高くなると、配送員の再訪問が増え、配送業務の負担や効率に影響することがあります。
再配達を減らすためには、配達日時の事前指定、宅配ボックス、置き配、営業所・店舗受取、配送通知サービスなど、多様な受取方法の活用が重要です。
特に集合住宅では、宅配ボックスの設置や適切な管理によって、不在時でも荷物を受け取れる機会を増やすことが期待できます。
ただし、宅配ボックスの設置だけで再配達が完全になくなるわけではありません。
再配達率の低下には、受取人が利用しやすいサービスと、建物の条件に合った受取設備を組み合わせることが重要です。