機械式宅配ボックスのトラブルを運用で解決する方法
機械式の宅配ボックスは保守や遠隔監視が出来ませんので何かとトラブルが起きやすいのですが、そんな環境の中でもなるべくトラブルを減らしたり、解決する方法をナビ美さんが書いてくれました。どおぞ。
先日、ナビ美のマンション定例理事会の際に幹事からこんな質問がありました。「宅配ボックスのチェックって定期的にされているのですか?」と。
この方の質問の意図は、メールボックスから郵便物を取り出した際にチラシと間違って、不在票を捨てた様な気がかりがあったそうなのです。
とはいいつつ、ご自身も何かお届け物が手元に届く事柄があるわけでもなく気になりながら、宅配ボックスを見ていたら、いつも使用中になっているボックスがあるので「ひょっとして…」と思い、尋ねられたそうです。
機械式宅配ボックスの管理状況
ナビ美のマンションの場合、管理人さんは週3日程度の日勤勤務の為宅配ボックスの利用状況を、いつも確認できるわけではありません。
たまたま同じ番号のボックスを連続して、使用されている可能性もありますのでどなたかが、占有しているかどうかは不透明な状況です。
ただ、1週間連続で使用中となっている場合は「怪しい…」という事で管理会社担当さんと管理人さんの立会いの下、中を確認し「該当の持ち主様へご連絡」する運用になっているそうです。
意外と多い機械式宅配ボックスのトラブル
ナビ美のマンションはファミリー層も多く、総戸数も少ないので宅配ボックス絡みのトラブルはこの13年間、聞いた事が無かったのですがお友達に話を聞いてみると意外と多いのですね。
◯ 特定の入居者が複数の宅配ボックスを占有してしまっている
◯ 日常的に家族間の荷物の受け渡しで利用(鍵っ子のお子さんのおやつが入ってるなど)
◯ 子ども(?)がイタズラをしてロックをかけて使用不能にしてしまう
などなど。大規模マンションやシングルの方が多い分譲マンションでは特に多いトラブルのようです。
利用される方のマナーの問題ではあるのですが、宅配ボックスのリース費も管理費の中から支払われている訳ですので、公平に利用できるようにしないといけませんね。
大きなトラブルに発展させないために
トラブルは「被害者」となる方が出現して、「加害者」が出来てしまうものです。けれども、「加害者」とされた方は、ご自身の行為がどれほど、他の方を不愉快な気持ちにしているかまったくご存じない方が大半なのだと思います。
こういう場合、「加害者」の行為を責める様な方向に持っていくと、「こじれる」可能性があります。まずは原因追求からスタートしてください。
トラブル解決例
新築分譲マンションの場合などは、トラブルが起こる前に宅配ボックス利用に関するルールを規約として作成することも一手です。
ナビ美が聞いた解決策としては、宅配ボックスのあるコーナーに「荷物の取り忘れ、倉庫代わりに利用されていると思われるボックスは管理会社にて中を確認させて頂いた上で、荷物を管理人室で預からせて頂きます」の張り紙をしたところ、占有状態が緩和されたということです。
また、どうしても荷物の受け渡しが多い方の場合は、その方専用のBOXを割り振り管理費を少し上乗せする事で、問題が解決されたというケースもあったそうです。
いたずらっ子のいるマンションでは、入居者向けに事情を説明した文書を作成し家庭内でも指導いただくようにお願いした上で、子ども向けの張り紙を宅配ボックスコーナーに張り出す事で解決されたそうです。例えばこんな文章でOKです。
「ここは、こどものあそぶばしょではありません。いたずらはやめましょう。こどもがこのばしょにいるのをみかけたかたは、よそにいくようにこえをかけましょう」
最新の宅配ボックスは、こういった占有に対する対応サービスがついているものもあるようですのでリース期間満了の際に、変更を検討される事もひとつの方法かも知れませんね。
連携できる環境つくり
今回、ナビ美が聞いたトラブルは結局、管理会社や管理組合との意思疎通が上手くいかず不満が噴出したケースなのでは?と考えています。
入居者、管理会社、管理組合の3者間の連絡がスムーズに行えている分譲マンションではトラブルの芽は小さいうちに摘まれます。
当事者間での解決に至らない場合は、理事会が協力するなどして、入居者の住み心地を改善できればマンションの資産価値もUPいたします。
入居者の皆様、お一人お一人が、もっと自分のマンションに関心を持って頂けるようなオープンな管理組合がつくれるとよいですね。
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ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。