宅配ボックス管理システム

宅配ボックス管理システムとは、宅配ボックスへの荷物の預け入れや取り出し、利用者の認証、ボックスの使用状況、操作履歴などを管理する仕組みです。

主にマンションやアパート、オフィス、商業施設など、複数の利用者が宅配ボックスを共同利用する場所で活用されています。

宅配ボックスは、不在時でも荷物を受け取れる設備ですが、利用者が多い建物では、荷物の取り忘れやボックスの満杯、操作方法に関する問い合わせなどが発生することがあります。

宅配ボックス管理システムは、こうした運用上の課題に対応し、荷物の受け渡しを円滑にする役割を担います。

管理方式には、外部の管理センターと通信回線で接続するネットワーク管理タイプと、宅配ボックス本体を中心に管理するスタンドアローンタイプなどがあります。

ただし、利用できる機能や管理方法は、製品の種類や契約するサービスによって異なります。

宅配ボックス管理システムの仕組み

コンピュータ制御式の宅配ボックスでは、制御装置や利用者認証機能などを利用して、荷物の預け入れと取り出しを管理します。

一般的には、配送員が届け先を指定し、空いているボックスに荷物を収納します。

荷物を受け取る居住者は、ICカードや暗証番号など、製品に対応した方法で認証を行い、ボックスの扉を解錠して荷物を取り出します。

システムによっては、荷物の預け入れや取り出しの履歴を記録し、管理者が利用状況を確認することもできます。

さらに、ネットワーク管理タイプでは、宅配ボックスを外部の管理センターなどと接続し、通信を利用した遠隔管理や各種サービスとの連携を行います。

なお、認証方法、記録される情報、通知機能、遠隔操作の範囲などは製品によって異なります。

宅配ボックス管理システムの主な機能

宅配ボックス管理システムには、製品やサービスに応じて、さまざまな機能があります。

荷物の預け入れ・取り出し管理

配送員による荷物の預け入れと、利用者による取り出しを管理する機能です。

利用者認証とボックスの施錠・解錠を組み合わせることで、指定された利用者が荷物を受け取れる仕組みを提供します。

利用履歴の記録

荷物の預け入れや取り出し、各種操作などの履歴を記録する機能です。

履歴を確認できる製品では、荷物の受け渡しに関する問い合わせや利用状況の確認に役立ちます。

着荷通知

荷物が届いたことを利用者に知らせる機能です。

通知方法には、メール、宅配ボックスの操作画面への表示、インターホンとの連動などがあります。

利用できる通知方法は、製品やオプション、建物設備との連携状況によって異なります。

長期滞留荷物への通知

宅配ボックスに荷物が一定期間保管されている場合に、利用者へ取り出しを促す機能やサービスです。

ネットワーク管理タイプでは、メールや電話などで通知する仕組みがあります。

ただし、通知の方法や実施条件は、管理システムや契約内容によって異なります。

また、利用者への通知と、管理担当者などによる現地での滞留荷物対応は、別の業務です。

遠隔管理

ネットワーク管理タイプでは、外部の管理センターが宅配ボックスの稼働状況を確認し、必要に応じて遠隔操作などを行う仕組みがあります。

一方、スタンドアローンタイプでは、外部の管理センターとの常時接続を前提とせず、現地の管理者が運用する方式が基本となります。

なお、スタンドアローンタイプでも、保守契約によって電話受付や点検などのサポートを利用できる場合があります。

ネットワーク管理タイプとスタンドアローンタイプの違い

宅配ボックス管理システムを選ぶ際は、管理方式の違いを理解することが重要です。

ネットワーク管理タイプ

ネットワーク管理タイプは、宅配ボックスを通信回線で外部の管理センターなどと接続し、使用状況や運用を管理する方式です。

製品やサービスによっては、着荷通知、長期滞留荷物への対応、遠隔での状態確認、解錠支援などが可能です。

外部の管理センターによるサポートを利用することで、マンション管理者の対応負担を軽減できる場合があります。

一方、通信環境や管理サービスの契約内容、継続的な費用などを確認する必要があります。

スタンドアローンタイプ

スタンドアローンタイプは、外部の管理センターとの常時接続を前提とせず、宅配ボックス本体で荷物の受け渡しや利用者認証などを行う方式です。

製品によっては、管理者が現地で利用登録や操作履歴の確認などを行えます。

ネットワーク管理タイプと比較すると、建物側で対応する管理業務が多くなる場合があります。

ただし、スタンドアローンタイプだからといって、メーカーのサポートを受けられないわけではありません。

保守契約によって、問い合わせ受付や定期点検、故障時の現地対応などを利用できる製品もあります。

宅配ボックス管理システムと保守・管理サービスの違い

宅配ボックス管理システムと、メーカーが提供する保守・管理サービスは、関連していますが同じものではありません。

宅配ボックス管理システムは、荷物の預け入れや取り出し、利用者認証、操作履歴などを管理する仕組みです。

一方、保守・管理サービスは、宅配ボックスを継続的に利用するための運用支援や点検、故障対応などを行うサービスです。

保守・管理サービスには、製品や契約内容に応じて、次のような業務が含まれる場合があります。

利用方法に関する問い合わせ対応

定期的な機器の点検や簡易清掃

故障や障害が発生した際の現地対応

長期滞留荷物や受取拒否などへの対応

受領書ロール紙やスタンプインクなど、製品に必要な消耗品の補充・交換

例えば、長期間取り出されていない荷物について、システムから通知することと、担当者が現地で荷物の状況を確認・処理することは異なります。

実際に利用できるサービスは、製品や保守契約の内容によって異なるため、導入前に確認することが重要です。

マンションに宅配ボックス管理システムを導入するメリット

マンションで宅配ボックス管理システムを導入すると、居住者と管理者の双方にメリットがあります。

居住者にとっては、不在時に荷物を受け取れることに加え、対応製品では荷物の到着通知などを利用できます。

管理者にとっては、荷物の保管状況や利用履歴を把握しやすくなり、問い合わせへの対応や長期滞留荷物の管理に役立ちます。

また、ネットワーク管理タイプでは、外部の管理センターによるサポートを利用することで、現地管理者の負担を軽減できる場合があります。

ただし、管理システムを導入すれば、荷物の取り忘れやボックスの満杯が完全になくなるわけではありません。

建物の住戸数や荷物の利用状況に応じたボックス数の確保と、適切な運用ルールの設定も重要です。

宅配ボックス管理システムとセキュリティ

宅配ボックス管理システムでは、荷物を適切な利用者に引き渡すための認証機能や、操作履歴の管理などが重要です。

ICカードや暗証番号などを利用する製品では、利用者認証によって扉の解錠を制御します。

また、操作履歴を確認できるシステムでは、荷物の受け渡しに関する問い合わせがあった際の確認に役立つ場合があります。

一方、ネットワーク管理タイプでは、利用者情報や操作履歴などを通信によって扱うため、情報の適切な管理も重要になります。

管理者のアクセス権限、情報の保存・取扱い、通信障害時の対応などは、導入前に確認しておきたい項目です。

なお、認証方式や通信上の安全対策は製品によって異なります。特定の技術や規格への対応状況は、メーカーの仕様書などで確認する必要があります。

宅配ボックス管理システムの導入費用

宅配ボックス管理システムの費用は、製品の種類、ボックス数、管理方式、通信環境、保守サービスなどによって異なります。

主な費用には、宅配ボックス本体、設置工事、電源・通信工事、管理サービス、保守点検などがあります。

ネットワーク管理タイプでは、管理センターによるサービスや通信に関する費用が発生する場合があります。

一方、スタンドアローンタイプでも、保守点検や修理、現地での管理作業などに費用がかかる場合があります。

導入時は初期費用だけでなく、継続的な管理費用や故障時の対応、サービス内容を含めて比較することが重要です。

複数の宅配ボックスを一元管理するシステム

大規模マンションなどでは、建物内の複数の場所に宅配ボックスを設置する場合があります。

例えば、1階のエントランスに共用宅配ボックスを設け、各階にも居住者向けの宅配ボックスを配置する方法です。

このような場合、複数の宅配ボックスの使用状況をまとめて管理できるシステムが役立ちます。

対応するシステムでは、各ロッカーの空き状況や荷物の入庫・取り出し状況を確認したり、配送員に適切な入庫先を案内したりすることができます。

ただし、こうした一元管理機能は、すべての宅配ボックス管理システムに備わっているものではありません。

また、システムが入庫先を案内することと、荷物そのものを自動搬送することは異なります。

フルタイムシステムの宅配ボックス管理システム

株式会社フルタイムシステムでは、建物の用途や管理体制に応じた宅配ボックスと管理サービスを提供しています。

分譲マンション向けの「フルタイムロッカー」には、ネットワーク管理Hシリーズと、スタンドアローンK・Mシリーズがあります。

ネットワーク管理Hシリーズ

ネットワーク管理Hシリーズは、宅配ボックスをインターネット経由で「FTSコントロールセンター」に接続し、遠隔での集中管理や各種サービスとの連携に対応する製品です。

FTSコントロールセンターでは、ネットワーク管理Hシリーズの使用状況を24時間365日体制で管理しています。

一定期間取り出されていない荷物への通知や、必要に応じた遠隔解錠などを行い、宅配ボックスの円滑な運用を支援します。

また、ネットワークを利用した稼働確認や通信の遠隔点検、警報監視など、対応製品や契約内容に応じた管理サービスも提供しています。

ただし、遠隔解錠などの機能が、すべての宅配ボックスに共通して備わっているわけではありません。

スタンドアローンKシリーズ

スタンドアローンKシリーズは、マンション管理者による自主管理を基本とする宅配ボックスです。

FTSカードや非接触キーなどによる荷物の受け取りに対応しています。

また、入出庫記録、利用登録、取消記録などを確認できる管理者メニューを備えています。

外部の管理センターに常時接続する方式ではありませんが、保守契約によって電話受付や定期点検、故障時の現地対応などを利用できる場合があります。

スタンドアローンMシリーズ

スタンドアローンMシリーズは、住戸ごとに設定する暗証番号による荷物の受け取りを中心とした自主管理タイプです。

暗証番号は管理者と居住者が住戸ごとに設定する方式で、交通系ICカードによる操作にもオプションで対応しています。

また、クリーニングの依頼など、荷物の預け入れ・発送にも利用できます。

具体的な管理機能や操作方法については、導入する製品の仕様を確認する必要があります。

Kシリーズと同様に、保守契約によって電話受付や定期点検、故障時の現地対応などを利用できる場合があります。

FTSコントロールセンターによる保守・管理サービス

フルタイムシステムでは、宅配ボックスの管理方式に応じて、問い合わせ対応、機器の点検、障害対応、長期滞留荷物への対応などの保守・管理サービスを提供しています。

ネットワーク管理タイプでは、通信を利用した遠隔管理が可能です。

また、スタンドアローンK・Mシリーズについても、保守契約により24時間365日の電話受付などのサポートを利用できます。

ただし、電話受付とネットワークによる遠隔管理は、サービス内容が異なります。

ネットワーク管理タイプでは、一定期間取り出されていない荷物について、メールや電話などで通知するサービスがあります。

一方、受取拒否や転居、長期滞留などに伴う荷物については、保守・管理サービスの一環として現地対応を行う場合があります。

通知方法や現地対応の範囲は、製品や契約内容によって異なります。

DXロッカーシステムによる一元管理

フルタイムシステムの「DXロッカーシステム」は、マンションの1階にある共用宅配ロッカーと、各階に設置されたフロア専用宅配ロッカーを一元管理する仕組みです。

配送員が1階の共用宅配ロッカーを操作すると、システムが各階のフロア専用ロッカーの空き状況を判断し、届け先に近いフロア専用ロッカーへの入庫を優先的に案内します。

フロア専用ロッカーが満杯の場合は、1階の共用ロッカーへの入庫を案内する仕組みです。

これは入庫先の管理・案内機能であり、荷物そのものを自動搬送する仕組みを意味するものではありません。

Locker Check Systemによる利用状況の確認

DXロッカーシステムに搭載された「Locker Check System」では、管理組合や管理会社が、パソコンやタブレットのWebブラウザから宅配ロッカーの使用状況を確認できます。

1階の共用宅配ロッカーと各階のフロア専用宅配ロッカーについて、空き状況、入庫状況、取り出し状況をリアルタイムで一覧確認できる仕組みです。

これにより、複数の宅配ロッカーを設置しているマンションでも、管理者が全体の利用状況を把握しやすくなります。

宅配ボックス管理システムを選ぶ際のポイント

宅配ボックス管理システムを選ぶ際は、荷物の受け取り機能だけでなく、導入後の管理方法まで含めて検討することが重要です。

特に、次のような項目を確認するとよいでしょう。

ネットワーク管理と自主管理のどちらが建物に適しているか

居住者が利用できる認証方法や着荷通知機能

長期滞留荷物やボックス満杯時への対応

問い合わせ受付や故障時のサポート体制

複数の宅配ボックスを一元管理する必要があるか

初期費用と継続的な管理・保守費用

建物の規模や利用状況、管理体制によって適した方式は異なります。

宅配ボックスを長く快適に利用するためには、製品の機能だけでなく、管理システムと保守・管理サービスを総合的に比較することが大切です。